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第87話
ーーーSide勇気
ー雄心会ー
俺をとりまく環境が普通じゃないと気付いたのはいつからだっけ?
周りは厳つい奴らばっかで、母親似のせいで男にしてみれば可愛い顔の俺に比べて父親が外で作った凛の方が組を継いだほうがいいと皆が口を揃えて言う。
俺が継ぐに決まってんじゃん。
なんで愛人の子に譲んなきゃいけないわけ?
響達に会うまで凛の事が大嫌いだった。
父親似の凛は皆から可愛がられて、俺はまるでお姫様扱い。
大事にしてくれるのはいい。
けど、腫れ物に扱うような態度か嫌いで仕方なかった。
凛の頭は撫でるのに俺の頭なんか撫でたことのない父親。
俺が子供なのに凛にばかり構う母親。
組の奴等も凛ばっか。
こんなんで好きになれっていうのがおかしいだろ?
ある日父親の友人の子だ。と会わせられたのは隆聖兄ちゃんと響だった。
最初はどうせ二人も俺じゃなくて凛を好きになる。
そう思っていたけど二人は違った。
隆聖兄ちゃんはまだ分かる俺らより10も年上の高校生なんだから。
でも響は同じ8歳なのに凛も俺も同等に分け隔てなく優しくしてくれて贔屓する周りの大人と違っていい意味でも悪い意味でも贔屓はしなかった。
隆聖兄ちゃんは高校生ということもありそんなに会えなかったが響はしょっちゅう俺等と遊んでくれた。
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