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第88話
ーーーSide凛
嫌いだった凛とも仲良くなった。
贔屓は凛の意思じゃなく大人の意思
そう思えるようになったのは響のおかげ。
でも、やっぱりどこか不満は残る。
響がいない家の中では特に。
構ってほしかっただけなんだろう。
俺は響に会いたくて一人で響のもとにむかった。
誰にも言わずに。
だって、凛には皆がいるから、俺には響しかいないから。
子供じみたわがまま。
この時のこの行動のせいで俺が響から大切なものを奪ってしまった。
知らなかったんだ。
抗争の最中なんて
俺は聞いてない。
家を離れるべきじゃなかった。
どこから嗅ぎ付けたのか敵対してる組が俺を攫おうとした。
もうすぐで響の家につくはずだったのに
そしたら響のお母さんに美味しいパスタを作ってもらうつもりだったのに。
家が家だ。この年でも攫われたらどうなるか位分からないがわけじゃない。
「勇気!」
なんで?どうして?
車に押し込まれる瞬間響の声がした。
ダメだ。諦めたらもう響に会えない。
俺をおさえつける奴にがむしゃらに歯向かい一瞬怯んだすきに俺は車から飛び出した。
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