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第90話

ーーーSide勇気 初めから俺は望んではいけなかったんだ。 だから誰も与えてくれなかったんだ。 「出て行って!ボクの前からいなくなって!」 父親と母親、凛を追い出した。 なんで?愛されたかったのに。俺を見てほしかっただけなのに。 俺のワガママのせいで響の大切な人を奪ってしまった。 退院まで3ヶ月かかるといわれた。 あの家に戻りたくないからもっといてもよかったのに。 入院して一ヶ月後響が俺に会いに来た。 母親を奪った俺に響は何を言うのだろうか。 怖かった。響にまで捨てられるのが。 「大丈夫?痛くない?」 「なんで?」 なんでそんなに優しくするの?俺のせいなのに 「んー?どうしたの?なんで勇気ないてるの?」 「ごめんなさい。ごめんなさい」 どうしたのかなー?なんて呑気な声で響は言いながらも優しく抱きしめてくれた。 「ボクのせいだ、ボクかワガママだったから、ボクが殺したんだ」 「勇気のせいじゃないよ」 「なんで、ごめんなさい。響、嫌わないで、側にいて」 「俺は勇気の味方だよ」 俺が泣き疲れて眠るまで響は俺を責めなかった。 ボクがわがまま言ったから 勇気はわがままじゃないよ その言葉が俺と勇気を縛り付ける。 ボクが間違った事したから 勇気は間違ってないよ その証明の為に響はボクの願いを叶え続ける。

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