96 / 103

第96話

空っぽ。なーんもない俺。 勇気がいないと本当にだめだな俺。 ーーー今日は一人で部屋に戻ってねーーー 久しぶりにきた連絡はよくわかんないもの。 誘われたんだけどねー 勇気からのお願いだからねーブツブツ言ってきた相手を振り払い部屋に戻る 勇気が戻ってきてるかも。 毎日思いながら開いた扉。 そんな願望は裏切られ続ける でもねー今日は連絡きたからさ、逸る気持ちを押さえて部屋に戻る。 靴がある。俺の靴じゃない。勇気のでも じゃあ誰だ? 「響」 あー昴か、なんか久しぶりだな 「昴。どうしたの?」 泣きそうだね。俺も泣きそうだけど 「響、響、響」 「どーしたの?」 俺にすがり付きながら本格的に泣き出してしまった昴を抱えてソファに座る ちょっと最近ご飯まともに食ってないせいでちょっとよろついたけどなんとかソファには座れた。 「昴、どーしたの?」 昴の綺麗な髪を撫でながら聞いてみる 「お前が、いないとダメなんだよ」 「んー?あ、そうか、昴は俺以外きらせちゃってたからね?ごめんね」 「違う!そういうことじゃねぇよ!」 どーしたのさ、情緒不安定だね 「響の特別だろ?俺は?」 そー、特別。特別だよ、あれ? 俺どーしたの?本当にワカンナイ。 「響、好きなんだよ」 あー、そうか【好き】かそうか、 「可愛いね昴」 そうだよね、もう勇気は守られてるだけの小さな子供じゃないんだよね。 こんな何もない俺でも好きになってくれる人がいるんだな 「響?」 「んー?どーしたの?」 ハハ、俺さ、おかしいね。 好きはワカンナイけどさ、それでも勇気のおかげで俺を見てくれる人いるじゃん 「昴、ごめんね?」 「なんで、」 「あ、違う泣かないで?昴、ベッド行こうか」 真っ赤にしちゃって可愛いね。 さすが昴。俺の為に生まれてきたんだもんね? 「おいで?」 もう泣かないで?

ともだちにシェアしよう!