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第42話 甘い交わり
「オレ、人とはずっと距離を置いて生きてきたから、結婚なんて本当考えられなかったんだ」
「そうだな、うちに来たばかりの頃の雅文は、誰も寄せ付けませんオーラ出しまくってたもんな」
「憎たらしかったでしょ? オレ」
黒崎は苦笑とともに訊ねた。
「そんなことないよ。最初からかわいかったよ、おまえは。ずっとかわいくて、オレのものになった雅文は、もっとかわいい」
沢井が甘くとろけるような声で言い、黒崎の首筋にキスをした。
「あっ……」
途端に快感が体を走り抜け、艶っぽい声が零れてしまう。
「雅文、そんなかわいい声聞かされると、オレ我慢できなくなっちゃうよ?」
沢井はそう言うと、黒崎の体を軽々と抱き上げ、そのままキングサイズのベッドの上へ降ろした。
「和浩さん……シャワー、浴びさせて……」
「あとだ」
黒崎の訴えは却下され、あっという間に服をすべて剥ぎ取られてしまう。
沢井も自分の服を脱ぎ捨てると、黒崎の上へ覆いかぶさってきた。そして、体のあちこちに所有の印を刻まれる。
黒崎は感じまくった。
今夜、自分と沢井は結婚したのだという幸福感が、ただでさえ感じやすい黒崎の体をよりいっそう過敏にして……。
下腹部の敏感なそれを沢井が口に含んだ途端に、黒崎はイッてしまい、
「雅文、今夜はいつもにも増して感じやすくなってるな」
沢井に、はっきりと指摘されてしまった。
……そんな恥ずかしいこと口にだして言わないで欲しい……。
イッたあとの乱れる呼吸のもと、黒崎は真っ赤になった。
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