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第45話 眠りにつくまで
「おやすみ、雅文」
沢井が額にちゅっとキスをしてくれ、
「おやすみなさい、和浩さん」
これ以上はない幸福感の中で黒崎は目を閉じた。
……だが、眠りはなかなかやって来なかった。
ハードなセックスで体は疲れ切っているのだが、気持ちが高揚していて、目がさえてしまっているのだ。
二人とも夕方からとはいえ、明日も仕事があるので、少しでも眠っておかなければと、思うのだが、心はまだ興奮状態にあるようで……。
沢井の腕の中で小さく身じろぎすると、彼が声をかけてきた。
「眠れないのか?」
「あ、ごめんなさい。起こしちゃった?」
「いや。オレもなんだか気持ちが高ぶって眠れない。雅文と結婚したんだって考えると、すごくうれしくてさ」
「……オレもおんなじ」
二人一緒の思いを共有しているのがなんだかうれしい。
「でも、眠らないと、明日キツイよねー」
「ああ……雅文、おまえ明日、夜勤じゃないか。よし。じゃとっておきの眠れる方法をオレが教えてやるから、目を閉じて」
「うん」
言われるままに黒崎は目を閉じた。
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