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第60話 新婚旅行⑦

 それでも恥じらいが勝るのか、声を殺し続ける恋人を沢井は淫らな愛撫で攻め立てた。  黒崎の下腹部のそれを口に含み、舐めて……。 「ああ……、あっ……ん……和浩さんっ……」  こらえきれなくなった喘ぎ声が、黒崎の愛らしい唇から漏れる。  沢井は満足そうに瞳を微笑ませると、黒崎の脚を持ち上げ、双丘を割り、その奥にある小さな場所へと舌を這わせる。 「ひっ……あっ……やっ……」  黒崎の体が大きくのけ反り、やがて快感の大きさに小さく痙攣を始めても、沢井は舌でその部分を愛することをやめなかった。  自分と彼が一つに繋がる場所。沢井の雄を挿入するとき、黒崎が少しの苦痛も感じないで済むように、そこを舐め、ほぐす。  あまりの快感に、黒崎がぐったりと半ば放心状態になったとき、ようやく沢井は顔を上げた。 「雅文……、愛してるよ……」  そして、さんざん舌で濡らしたそこへ、己の雄をあてがい、ゆっくりと黒崎の中へと挿入していく。 「ああっ……」  黒崎が悲鳴に近い善がり声をあげ、瞬く間に愛液をほとばしらせた。  沢井が体を進める度、黒崎は切なげに体をくねらせ、甘い声を和室に響かせ、何度も絶頂を迎える。 「雅文……、っ……」  沢井もまた、いつもよりも早く一度目の高みへと昇りつめる。 「あっ……、和浩さっ……」  奥深くで、沢井が射精すると、黒崎の体はピクンと大きく跳ねあがり、より高いところへと心は飛ばされてしまう。  ――二人の新婚旅行の初夜は、甘く、激しく、まだ始まったばかりだった。

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