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仕事
書類をめくる音、何かを書き込む音しか聞こえず必死に皆が生徒会の仕事をこなしていた。
もうすぐ俺らの生徒会が終わるから引き継ぎ事項と次の生徒会選挙(といっても人気ランキングだけど)の準備で近頃時間を追われている。
ヒロインがいたときは騒がしかった学園は落ち着きを取り戻し生徒会にも落ち着きを取り戻していた。
「ランキング誰かなー?やっぱ理央君の弟かな?」
仕事が一段落したのだろう那智がランキングの予想を始めた。
「そうですね、兄の理央と違って弟の伊央は真面目ですからね」
「やだなー晶ちゃん俺もちょーまじめ」
相良理央ことチャラ男会計の俺と違って硬派な弟伊央は兄である身内の俺が言うのもあれだが母親似で綺麗系な俺の顔と違って男らしいイケメンだ。
「伊央、、ま、め」
「涼ちゃんまでそういうことゆー?」
今でこそ外では普通くらいには話せるようになったが気が抜ける相手だと相変わらずな話し方で、犬井語を理解するのに長年一緒にいる俺等も相当頑張ったと思う。
「次は伊央だろうな」
なんなんだ皆してチャラ男の演技はしてるがテストも常に3位だし、仕事も真面目にやってると言うのにチャラ男に偏見もちすぎじゃないかこいつら
「きずついたからちょっと休憩してくるねー」
もう今の仕事は終わったし、ちょうど休憩タイムだろう。自然な感じで生徒会室を俺は抜け出した。
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