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甘え
毎回毎回盛り過ぎだって、どんな性欲してるわけ?
一回ベッドに入れば長時間縛り付けてこんなにこっちは参ってんのに当の本人はケロッとしてるし本当に同じ人間かよ
「帝っち激しすぎ」
2日連続は身がもたないって、部屋戻れなくなるじゃん。あーお腹へったし、眠いし最悪
「おなかへったー」
「待ってろ」
「え?」
待ってろってどういう事?帝は下だけ履くと部屋から出て行った。
今までにない行動で少し焦る。なに?やったら終わりでしょ?俺らの関係は体だけ優しさも何もない帝の性欲を処理するだけの関係でしょう?
まぁ、待ってろって言われたし。言われてなくても流石に体が動かなそうだから大人しくしてるしかない。ぼーっとしてたら帝は手に何かを持って戻ってきた。
「食え」
「え?」
皿に並べられたサンドウィッチはどれも美味しそう。帝が準備してくれたのか。え?嬉しいんだけど。けどどういう心境の変化だ?
「食わねぇのか」
「食べるー!たべさせて?」
あーんとわざとらしく口を開いてみれば帝の眉間に凄い勢いでしわがきざまれていく。からかってると思ってるんだろうか。まぁ、それも少しはあるけどいや、本当に今指一本も動かしたくないくらい疲れてるんだよ。
俺がひかないと思ったのか舌打ちしながらも俺の口にサンドウィッチを運んでくれた。
「おいしー」
なんか恋人みたい。どうせならもう少し甘えてみてもいいだろうか
「帝っちー今日泊まっていい?」
帝は一人で寝るのが好きだからな今まで部屋に戻っていたけど今日位はいいだろうか?いつも帰るときは幼馴染のよしみか一応引き止めてはくれてたけど今日位はそれに甘えてもいいんじゃないか?
帝が普段見せない優しさを見せるからその雰囲気に酔ってたんだろう思わず出した俺の言葉に帝は一瞬驚いた顔を見せたが
「寝ろ」
言葉とはうらはらな優しく俺の頭を撫でる手に安心して夢の中に落ちていった。
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