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案件2:間宮くんが載ったメンナクが売ってた話

「ちょっと真面目な話して良いですか?」 本部改装ミーティングから一夜。 結局副社長が「ワニが可愛そうだ」と泣き出したためご破算になったバナナワニ園はともかく、新生RIC帝国の図案は粛々と詰められつつあった。 本日も鬼の居ぬ間に受注を止め、第二回会議を催していた最中。 態々挙手して発言権を請う間宮くんに、支部長はじめ周囲の怪訝な視線が集まる。 「…どうぞ」 「俺、間宮って言うんですけど、やっぱ前職では歌舞伎町で一時代を築いた雄傑じゃないですか」 「そうなんだ」 「もう直ぐ女の子が会社に来るって聞いたんですけど…風紀が乱れないかちょっと心配なんですよね」 シャフ度で遠い目をする彼の隣り、海堂くんがやれやれみたいな感じで苦笑している。 腹の立つ小芝居を織り交ぜるな。やれやれプレイボーイはこれだからみたいな顔をするな海堂くん、君はあと数年で魔法を会得するぞ。 「心配には及ばないぞ間宮くん、確かにこの会社にはもう直17歳のピチピチ外国ギャルが来ると話したが」 「キャッホー!10歳差とか運命の誤差」 「そのピチピチギャル社長の妹だから」 浮足立っていたプレイボーイがそのまま床にめり込んだ。周囲にも範囲ダメージが入った、フルコンボだドン。 来たる少女の株を下げたくは無いが、ぶっちゃけあの忌憚のない性格は社長の片鱗を感じる。社会の酸い甘いを知れば純粋な部分が剥がれて、やがて社畜を牛耳る第二形態になるやもしれない。 「いやいや…でもずっと別々に暮らしてたんでしょ?」 「まあね。社長は会ったこともないし、存在も知らなかったらしいよ」 「じゃあ全然影響受けてないじゃん、それで顔面の遺伝子はアレだし、慣れない環境で優しくされたら俺を意識せざるを得ないし、いずれは膝枕して『お兄ちゃんこんなんじゃ一生彼女できないぞ!』って言ってくれる訳でしょ?」 「確かに良くてお兄ちゃん止まりだろうけど」 テンションが上がるのは致し方ないとは言え、セクハラ紛いの言動は止めて欲しい。タダでさえ某先生が先日「労基署に監査入らせたら一発」とか脅してきたのに、これ以上経営が怪しくなる事案はよして欲しい。 隣の海堂くんに煽られているけど、間宮くん、君は少なくとも昔は女性相手の商売してたんでしょう。萱島が物言いたげな視線を向ければ、部下は急に頬の紅潮を引っ込めて生真面目な顔をした。 「でも諸々どうするんです?女子トイレとか新設するにも時間掛かるし」 「うわあ急に落ち着くな…トイレは一部を女性専用にしちゃうみたいだよ」

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