36 / 320

【第5話】中世ヨーロッパの男娼館での営みを妄想シテみる(9)

 続きとばかり両膝の裏に手を差しこんで、一瞬の動作で更に大きく開かせる。 「こんな風に俺に見られて、どう? アリカ」 「どうって何がだよっ……!」 「こんなに恥ずかしい格好させられてるんだよ。今、何考えてるの?」 「うぁぁ……ん、別にっ……」 「別に? 平気なの? 膝がこんなにブルブル震えてるのに?」  イクセが笑う。 「アリカの後ろもヒクヒク動いてるし、ココも先からどんどん溢れてるよ?」 「あっ……はぁっ」  言葉攻めに感じたアリカが身体をくねらせる。 「見つけた」  直接触れない代わりに、イクセはそこにフッと息を吹きかける。 「ヤぁ……あぁんんっ!」  アリカの腰がビクリと震え、垂れる液体がシーツをしとどに濡らしていく。 「アリカ、お尻の穴のそば。こんなところにこんな痕いくつもつけて。誰につけられたの?」  赤い印の1つ1つに息を吹きつける。 「はぁんっ……んなの、全部いっ……せがっ! じゃなくて、あっ……あっ、誰かなんて分かんなっ……ぁあん」  言い訳めいたセリフ。  せっかく考えたのだろうに、喘ぎ声のせいでほとんど聞き取れない。 「アリカ、これくらいでこんなに感じちゃこの仕事は大変じゃないの?」 「うるさっ……も、分かったよっ!」  アリカの手が、開かされた股の間から客の方へとのびる。 「アト、全部イクセさんのにして。だから早くっ……」  早くしてと腕をつかむ手。 「アリカ、こういう仕事してるなら、痕つけてなんて言っちゃいけないんだよ」  イクセの声は乾いていた。

ともだちにシェアしよう!