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【第5話】中世ヨーロッパの男娼館での営みを妄想シテみる(11)

 有夏だかアリカだかにおねだりされて、幾ヶ瀬は大きく顔を歪めた。 「有夏っ……」  細い両腕をつかんで押し倒す。  少し余裕のあるイクセさんは消えていて、目つきが一気に熱を帯びていた。  自身のそれに左手を添えて先端を有夏に押し当てると、無言で一気に沈み込む。 「んぁああっっっ」  奥まで貫かれ、有夏の膝がガクガク震えた。  幾ヶ瀬が腰を動かすたびに揺らぐような声をあげ、有夏の手は空中をさまよう。  その手をつかんで握り締める幾ヶ瀬。  震えが伝わるのだろう。  絶頂が近いのが分かる。  でも幾ヶ瀬の腰は動きを止めない。  可愛い恋人の奥を細かく刺すように犯し続ける。 「イッ……せっ、も、あぁ……ぁ」  この瞬間が終わるのが惜しくて、必死で耐えているその表情。  応えるように幾ヶ瀬も何事か呟くが、明瞭な言葉にはならなかった。  痙攣する下半身。  どちらからだろうか。  繋がったソレが大きくビクンと跳ね上がる。  大きな波。  ゆっくりと治まっていって、最後二人の身体は小さくヒクヒクと震える。 「……あり、か」 「なに……?」  有夏の身体を潰さんばかりにぐったりのしかかったまま、幾ヶ瀬は長い息を吐いた。 「ふふ……有夏」 「何?」  突然笑い出した男に対して、不審の声をあげる有夏。 「イイ線いってるのに、アリカすぐに素に戻るから」 「なに? ダメ出しされてんの? ちょ、重いんだけど。退けって」  押し退けようとする手をつかみ、手の平を合わせて指を絡ませる。  そのまま甘いキスを何度も。

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