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【第6話】覗いたときは事後でした(3)

 開いている方の手で宥めるように尻を撫でると、有夏の股が痙攣した。 「締めてないっ! 幾ヶ瀬、そんなふうに触っちゃヤっ……」 「そんな風にってどんな?」 「おまえ……っ、いっか、げんに……」  何度も撒き散らした筈なのに、有夏の前はもう半勃ちだ。 「も、ヤっ……はぁぁ……んっ」  否応なく押し寄せる波に、シーツをつかんで必死に耐えている様子。 「……出したら終わりじゃなくてっ! ナカがずっとウネウネしてて……あぁん……だからっ、そ…んなふうに触ったら……」 「またイッちゃう?」  震える尻を後ろから眺める幾ヶ瀬。  声には喜悦の色が。クニャクニャと指の動きは止めることなく。 「もうヤだ。も、ムリ。幾ヶ瀬……抜けったら!」  ごめんごめんと笑いながら、ゆっくりと指を抜く。  精液が後孔から溢れ出て太ももを伝う感触に、有夏の膝が崩れた。 「うぅ……これヤだって、いつも言ってんのに」  幾ヶ瀬の汁で股をヌトヌトに濡らしながら、うつ伏せのまま肩で大きく息をする。 「ごめんって」  言いながら幾ヶ瀬が覗き込むと、有夏の双眸は虚ろに濡れていた。 「だってゴムしなくていいって言ったの、有夏だよ? いいから早く挿れろって」  ティッシュをとっていそいそと股を拭ってやる。 「幾ヶ瀬がギリになって言うからだろ。先につけとけよ」 「ごめんって……」  口調は戻ったが、有夏の目つきはまだトロンと虚空をさ迷っていた。 「でも……ナマ、気持ちいい。ナカで爆発するみたいで……」  こうやって事後に指で掻き出してもらうことだって、行為の一環としてしっかり感じているようで。

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