43 / 357
【第6話】覗いたときは事後でした(3)
開いている方の手で宥めるように尻を撫でると、有夏の股が痙攣した。
「締めてないっ! 幾ヶ瀬、そんなふうに触っちゃヤっ……」
「そんな風にってどんな?」
「おまえ……っ、いっか、げんに……」
何度も撒き散らした筈なのに、有夏の前はもう半勃ちだ。
「も、ヤっ……はぁぁ……んっ」
否応なく押し寄せる波に、シーツをつかんで必死に耐えている様子。
「……出したら終わりじゃなくてっ! ナカがずっとウネウネしてて……あぁん……だからっ、そ…んなふうに触ったら……」
「またイッちゃう?」
震える尻を後ろから眺める幾ヶ瀬。
声には喜悦の色が。クニャクニャと指の動きは止めることなく。
「もうヤだ。も、ムリ。幾ヶ瀬……抜けったら!」
ごめんごめんと笑いながら、ゆっくりと指を抜く。
精液が後孔から溢れ出て太ももを伝う感触に、有夏の膝が崩れた。
「うぅ……これヤだって、いつも言ってんのに」
幾ヶ瀬の汁で股をヌトヌトに濡らしながら、うつ伏せのまま肩で大きく息をする。
「ごめんって」
言いながら幾ヶ瀬が覗き込むと、有夏の双眸は虚ろに濡れていた。
「だってゴムしなくていいって言ったの、有夏だよ? いいから早く挿れろって」
ティッシュをとっていそいそと股を拭ってやる。
「幾ヶ瀬がギリになって言うからだろ。先につけとけよ」
「ごめんって……」
口調は戻ったが、有夏の目つきはまだトロンと虚空をさ迷っていた。
「でも……ナマ、気持ちいい。ナカで爆発するみたいで……」
こうやって事後に指で掻き出してもらうことだって、行為の一環としてしっかり感じているようで。
ともだちにシェアしよう!