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【第6話】覗いたときは事後でした(4)

「有夏、気持ちよさそ……。そりゃ俺もナマがいいよ。有夏と俺の間にたとえ0.02mmであっても邪魔があるなんて耐えられない」  振り返った有夏が、やや呆れたように顔を顰めていたからか、幾ヶ瀬は我に返ったように声のトーンを落とす。 「でも、有夏の身体に負担をかけるのは俺だって辛いんだよ? ナマと変わらないくらいに薄いやつだってあるし、逆に突起のついたやつなんかもあるから、色々試してみてもいいんじゃない?」 「突起って……え、なにが?」  許容量を超えたらしい。  何の話だと言わんばかりにポカンとしている。 「だからコンドームにイボがいっぱい付いてて、擦ると刺激がってやつ」 「うわぁ……なにそれ」  有夏の目元が険しい。若干引いているのが分かる。 「買ってこよっか?」 「いいよ!」 「いいって使っても良いってこと?」  当然わざと言っているわけだが。  違う違う、いらないよと、可愛く慌てる有夏の姿を見たいがために。  もっとも実際は「死ねよ、変態」と罵られただけだが。 「わ、分かったよ、ゴメン。他のことはそうでもないのに、有夏はセックスのこととなると恥ずかしがり屋さんになるね」 「セッ……はずか……? うっ」 「今日だってせっかくこの前の娼館の続きしようと思ってたのに、有夏が恥ずかしがるから」 「恥ずかしがったつもりはねぇけどな!」  全力で拒否ったつもりらしい有夏は、憐れむように目を細めて幾ヶ瀬を見やる。 「今度は他の客編をしようと思ったのに」 「編って……」 「有夏がちゃんとノれるように色々考えてたんだけど。どう?」 「どうって聞かれる意味が……」 「イクセさんが仕事忙しくて来られない時に、前からアリカを狙ってた男か半ば強引に……」 「キモっ!」

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