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【第13話】焦らしたあげく禁断のアブロマンス、なんてプレイを(2)

 幾ヶ瀬の部屋の狭いベッド。  下着を膝までずらされて尻を突き出すような格好で、有夏はうつぶせに倒れている。  Tシャツは着ているが、胸のあたりまで捲れ上がっていた。  紅潮した頬を見られまいと顔をシーツに埋めている様を、ベッドの端に腰かけた幾ヶ瀬が見下ろす。  眼鏡の奥の目がいやらしく笑っているのは、昨日、一昨日と焦らしたかいがあったものだと満足しているのかもしれない。  GM屋敷とまで評される自室が久しぶりに片付いたというのに、有夏が当然のようにこちらに居るのも、奥の疼きを幾ヶ瀬に鎮めてほしいからに違いない。  2人揃っての夕食後。  案の定、有夏は甘えて身体をすり寄せてきた。 「有夏、かわいい……」  中指を咥え込んでは「もっと」とよがる恋人に、幾ヶ瀬は愛し気に目を細めた。 「ああ、そうだ。ちゃんとアレ、隣りのクソビッチに渡しといたよ。掃除の手伝いした報酬だって言って。あんな雌豚に、有夏がわざわざ施しをくれてやることないのに」 「ふぁ……?」  今する話かよ──有夏の不満気な呻きがそう語っている。  だがベッドでは素直な彼のこと。  小さく息をつくと、おしりをもぞもぞ動かした。

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