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【第13話】焦らしたあげく禁断のアブロマンス、なんてプレイを(3)

「手伝ってくれたから、一応。クソビッチにも、たまには甘いものでも食わせてやろうかと思って。姉ちゃんのお土産でアレいっぱいあるし」 「ああ……貧しいからね、クソビッチ。久しぶりにモヤシと段ボール以外のものを口にできて、有夏を神のように崇めているだろうね」 「神か……」  有夏、満更でもないという表情である。 「うーん、それにしてもアレ、全部お姉さんのお土産なの? 冷蔵保存の物をあんなに……。冷蔵庫を占領されちゃったから、夕食の残り物の鍋が入んなくなっちゃったよ」  何なの、アレ。シュークリーム?   言葉とともに、奥まで入っていた指がゆっくりと引き抜かれる。 「んっ……」  第一関節のあたりで動きを止めると、有夏も身体の力を抜いた。 「知らねぇの? ペコちゃんのほっぺ。百華姉が不二家でバイトしてて、期限切れたやつ時々もらってくんだよ。隣りのクソビッチにあげる分は、潰れたやつばっか選んで……」 「有夏の食すもの、期限切ればかりなんじゃ……」 「だいじょぶだって。幾ヶ瀬も食べ」 「そりゃ食べるけど。シュークリームみたいなもんでしょ?」 「だからぁ、シューじゃなくてペコちゃんのほっぺだって! 有夏、アレ好き。生地がぶ厚くてふわふわで……」 「ペコと俺、どっちが……」 「お前は……」  有夏は完全に脱力したようだ。 「ペコちゃんに妬くんじゃねぇよ。気持ち悪ぃな」  幾ヶ瀬の左手に僅かに力が込められる。 「そりゃ妬くよ!」 「んあっ!」  中指と人差し指が一気に第二関節まで挿し込まれた。  内部で指が動く気配。

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