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【第13話】焦らしたあげく禁断のアブロマンス、なんてプレイを(9)
幾ヶ瀬の唇が歪む。
「おねだりしてよ。先生、シテって」
「せんせ……やっぱヤだ!」
一回の拒絶など、むしろ可愛いものだ。
有夏を胸に抱きしめたまま、幾ヶ瀬はその耳に囁く。
「はい。ここは教室ね。ちなみに放課後。ああ、ヤらしっ……。小テストが全然出来なかった有夏の為に俺が補習をしてるとこ。ああ、設定がすでにヤらしっ!」
「いくせーー?」
「さて、胡桃沢くん。1枚のコインを7回投げるとき、2回以上表が出る確率を求めよ。分かる?」
「は? コイン? え……なに?」
幾ヶ瀬、有夏の顔の真ん前で指をクイクイと動かす。
「先生。ほら、有夏。センセイだって。カモン! センセイ、カモン!」
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