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【第13話】焦らしたあげく禁断のアブロマンス、なんてプレイを(10)

 何がカモンだと、正気の時なら張り倒していただろう。  だが内部を嬲られて入口をひくつかせた今の彼に、正常な判断はできよう筈もなく。  目の前の男がどうしたら望み通りの方法でこの疼きを鎮めてくれるか、足りない脳味噌を振り絞っているようで。 「……どうしてもすんのかよ。分かったよ。エヘンっ! せんせぇ、有夏わかんなぁい」 「お、いいねぇ……じゃなくて! ちゃんと考えてごらん。どこが分からないの?」 「だめ。せんせいのことしか考えらんない。ねぇ……いつもみたいにシテ」 「え、そういう設定? 放課後の教室で無垢な有夏を押し倒そうって思ってたのに」 「せんせぇ、気持ち悪ぃ……」 「コラコラ、有夏。素が出てるよ?」  もう一度わざとらしく咳払いしてから、有夏は声を高く調整した。 「せんせぇ、有夏とシたくて補習なんかに呼び出したんでしょ。ほらぁ、早くぅ」 「胡桃沢くん、教室だよ? 補習中にいけない子だ。誰か来たらどうす……てか、有夏はそんなビッチじゃないだろ!」 「何言ってんだよ。放課後の教室でヤリてぇんだろ? 幾ヶ瀬、今思い出したんだけど高校ん時……?」 「な、何が?」 「幾ヶ瀬、プールの時タオル忘れたって言うから有夏の貸したよな。でもお前のカバンの中、ちゃんとタオル入ってて。え、アレ…何か急に気持ち悪く……」 「………………」 「いくせ、へんた……」

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