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【第13話】焦らしたあげく禁断のアブロマンス、なんてプレイを(11)

「ちがっ、違うっ! 2次方程式×2乗たす……違う違う」  急に幾ヶ瀬がブツブツ唱えはじめた。 「a、bが有理数のときa + b……」 「にじほう……なに? ゆうりす? えっ? 急に眠く……」  有夏の意識を高校の時の自分の奇妙な行動から逸らすことに成功し、幾ヶ瀬は額に浮かんだ汗を拭った。 「有夏が馬鹿で助かっ……ああ、違う。補習だった。胡桃沢くん、どこが分からないの?」 「分からないとこが分からないってのだけ分かる」 「え? もっかい言っ……」 「んなのいいって。せんせぇ? 有夏からシよっか?」  役に入ったか、有夏の声が甘い。  誘惑するかのように幾ヶ瀬に顔を近付ける。 「コラッ、やめなさい。くるみ……」  唇同士がムニュっと触れ合う。 「ね、今度はせんせぇから。舌いれて」  軽く口を開けて目を閉じる有夏。 「駄目だって、有夏ぁ。ちが……胡桃沢くん、こんなところで……フッ」  幾ヶ瀬、ニヤついていると小声で言われ、慌てて口元を手で隠す。 「それとも他のとこに挿れたい?」

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