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【第14話】有夏チャンのこっちのおクチはウソがつけない(7)

「でも有夏、もぅ入んない」 「………………」  唐突に、沈黙。 「……今の、もっかい言って」 「なに? なんか言ったっけ。ありかもうはいんな……」  そこで有夏、ようやく気付く。 「お前、まさかこの流れでそういう……!?」  早く食べろと言う幾ヶ瀬の必死な形相が和らいだ。  かわりに、だらけた笑みに支配される。  彼の頭の中の有夏はしなをつくって「もう挿んなぁい」なんて言っているのであろう。 「有夏ぁ」  迫る顔を有夏の掌底が押しとどめる。 「お前バカだろ。メシじゃなくて有夏のこと食ってどうすんだよ!」 「有夏、うまいっ!」 「うまくねぇよ。わいてんのか!」  幾ヶ瀬は箸を置いて、本格的に手を出しにかかっている。 「ヤだよ。ヤってる間にメシが冷めましたなんて、くだらねぇオチはもうコリゴリなんだよ」  でもさ、と幾ヶ瀬が声をひそめる。 「運動したらお腹へるかもよ?」 「うんどう……」

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