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【第14話】有夏チャンのこっちのおクチはウソがつけない(8)

 「運動」という言葉だが、幾ヶ瀬が言うと爽やかなスポーツとはかけ離れたイメージが沸きあがるのは何故だろう。 「ヤだよ。絶対しねぇから! 有夏は食べる! あとちょっとだけなら入る」 「ちょっとだけ? いっぱい挿るくせに」 「最悪だ、コイツ」  腰に伸びた腕を、有夏は完全に無視した。  肉じゃがのジャガを頬張ってみせる。 「いいよ、食べてて」  Tシャツの裾から侵入した手が、有夏の腹の上で軽やかに踊る。 「んーっ!」  ゆっくりとに上へとのぼってくる指に、有夏が身をよじった。 「むっ……心を無にするのだ」  青椒肉絲を口に運びながら、そんなことを言っている。 「心に宇宙をえが……っ、描くのだっ」  どうやら心は無にできないし、宇宙も描けないでいる様子。  這い上がってきた幾ヶ瀬の指先が左の乳首を僅かに掠めただけでギュッと目を閉じ、固まっている。 「さすればそなたは……っ、真理に到達するであろ……うっ。はい、老師……っっ」  何かの漫画の台詞を、1人2役でそらんじるが上手くいかない。 「感じすぎたって、有夏」  突起の先端を、指の腹がやさくしなぞる。  やがてその指がツンと乳首を突つき出した。 「これが……っ、老師っ、の、最終……おうぎ……闇から、んっ! いくせっ、それヤだ!」

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