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【第14話】有夏チャンのこっちのおクチはウソがつけない(12)

「いくせぇ……ちゃんと、うごい……て」 「ごめんね、有夏。もう少し我慢して」  ご機嫌を伺うような調子だが、幾ヶ瀬の声は楽しそうだ。  右はどうかなと、今度は右の乳首を捻りあげる。 「あぁ……」  腰を震わせると、幾ヶ瀬の方も深く息をついた。 「そんなに俺の締め付けたら……」  棒を擦りつけたいという衝動と戦っているのか。  乳首から手を放し、幾ヶ瀬は有夏の腰を抱きしめた。  右か左の決着がまだついていない故か、押し寄せる欲望に対して眉根を寄せて懸命に戦っている様子。 「有夏ぁ、乳首……どっちなの? だって、どっちもすごい締まるんだもん」 「んなの……どっちも、かわんねぇ……よっ」 「そっかぁ……」  有夏の背中にピタリと身を寄せる。 「有夏ぁ、気持ちいい?」 「んっ……ふぁぁ……」  幾ヶ瀬の目が開かれた。 「あっ! 今、一番キツく締まった」 「うるさっ……」 「気持ちいいんだ? 違うって言っても分かるよ。有夏のココがちゃんと教えてくれてるもん。もう可愛いっ」 「もぅ……ヤだってば、これ」  自由な両手で有夏が自身の顔を覆う。

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