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【第15話】記念日を一緒に過ごしたい派・気にしない派(2)
布団をかぶり直そうとする手を、幾ヶ瀬がグイとつかむ。
しばらくは無言の攻防が続いたが、結局布団をはぎ取られるという形で決着がついた。
「さあっ、朝ご飯にしよ。顔を洗っておいで♪」
ベッドのすぐ横の座卓には、すでに皿やコップが並べられている。
おにぎりとヨーグルト、果物に紅茶──微妙な取り合わせだが、幾ヶ瀬家の朝食はいつもこんな感じだ。
それに加えてフルーツケーキにツナサラダ、唐揚げと玉子焼きまで並んでいる。
「……んに? ごちそう」
「やだなぁ、有夏。いつものメニューでしょ」
あきらかに浮かれた様子で幾ヶ瀬が声を張り上げた。
その違和感に、有夏の意識も徐々に覚醒していったようで。
「7時って……ありえんわ!」
あらためて時計を見て絶句している。
「いや、有夏サン? 7時起きは世間ではわりと普通ですよ?」
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