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【第17話】『閲覧履歴に基づくおすすめ商品』は人物の内面を完全に晒す(11)
「おもちゃ……?」
こちらを振り向くことはないが、有夏の肩が一瞬震えたことを幾ヶ瀬は見逃さなかった。
玩具がゲーム機やカードゲームを指していないということは察しただろう。
「俺さ、見る気なかったんだよ? 本当は寸胴鍋探してたんだもん。本格的な出汁をとろうと思って。なのにアマゾンって怖いね。気が付いたら、そういうのばっかチェックしてた」
「……そういうのって」
「だから、さ」
3本の指の動きが一気に加速する。
「はぁんっ……ああっ、いくせっ……」
「俺の指よりずっと動いて、有夏のココ……気持ち良くしてくれるよ? どうする?」
「ど……するって、なに」
「買っとく?」
「やっ……だ」
有夏は激しく首を振った。
「いくせの……ゆび、とか……だけで、いいっ」
「とかって?」
「あぁ?」
「指とかって何? 指となに挿れてほしいの?」
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