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【第17話】『閲覧履歴に基づくおすすめ商品』は人物の内面を完全に晒す(12)
「いくせっ?」
この状況で、結構必死な大声だったろう。咎めるように有夏が叫んだ。
何か卑猥なことを言わそうとしている、この男は──そんな危機感と、羞恥にナカはキュンと感じて締まって。
「指と、何? ね、有夏……言ってよ」
「……ヤだ!」
しばらくの無言。ベッドの軋みと粘膜の擦れる音、それから激しい呼吸音だけが聞こえる。
「じゃあ俺が当ててあげる」
「んっ?」
不意に幾ヶ瀬が指を抜いた。
「なんで……?」
物足りないというように孔がヒクヒク震えているのを見下ろし、幾ヶ瀬はそこに舌を這わせた。
熱の塊のようなそれがゆっくりと挿し込まれ、唾液がしとどに流れ落ちる。
「ああぁ……っっ」
喘ぐ声は途切れ、震えて。
たまらず溢れ出る精液がシーツにじわりと染みをつくる。
「いくせぇぇ……、おもちゃ、とか……ヤだぁ。いくせのじゃなきゃ……ぜったい……」
舌が抜かれ、幾ヶ瀬が何か言った。
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