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【第18話】こうして秘密が暴かれる(3)

「いくせー? 疲れてんだろが。ムリすんなって」 「やだやだっ! だってぇ!」  冷蔵庫の扉を開けて幾ヶ瀬が声を荒げた。 「仕事だけの人生なんて儚いよ! 1日の内の少しの時間でもいいから有夏と一緒に過ごしたい!」 「少しの時間って……けっこうお前……」  幾ヶ瀬があまりにグダグタうるさいものだから、この1週間ほどは有夏も早起きをして一緒に朝食をとっている。  昼休憩にはこの男、いそいそと帰ってくる。  勤務時間は確かに長いが、終われば即行帰って来て2人で夕食、眠るベッドも一緒なわけだから幾ヶ瀬のキレ方に、有夏としても呆れたわけだ。 「分かったよ。寝坊しても知らねぇ……っ」  くいっ。  有夏の目の前に幾ヶ瀬の人差し指。  指先がテラテラと光っている。  どこか不機嫌そうな表情の幾ヶ瀬が、ちらちらと横目で有夏を見やる。  本当に面倒臭い男だ。 「しょうがねぇな」  指先を口に含んで、わざと音たてて吸ってやると、途端に幾ヶ瀬の表情はだらしなく緩んだ。 「甘いでしょ、有夏。冷蔵庫で固めようね」

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