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【第18話】こうして秘密が暴かれる(7)
そうこうする間にトランプは並べられた。
「んじゃ、俺からね」
幾ヶ瀬は浮き浮きした様子でカードをめくった。
「ハートの2と……あっ、スペードの10かぁ。しょうがないな。じゃあ、俺言うね」
「なにを?」
「……ずっとずっと胸に抱えてた秘密を言うんだよ」
「重っ! えっ、負けたらじゃなくて、都度? 毎回ヒミツをぶちまけんの? 無理だよ。有夏、そんなにヒミツ抱えて生きてねぇもん」
「……脳が小さいからねぇ」
「あぁ? 今何て言った?」
「………………」
返事がない。
「幾ヶ瀬?」
カード2枚を元の位置に戻し、幾ヶ瀬はにやにやと笑っていた。
「ごめん、有夏……俺には秘密がある」
呑まれたように有夏も黙り込む。
深夜の2時近く──。
幾ヶ瀬はこんな話を始めた。
「中学の時、有夏と俺のリコーダー……こっそり交換した」
「えっ……」
衝撃である。とんでもない爆弾である。
有夏の声がかすれた。
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