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【第20話】そのイタズラは正義か悪か(4)
瞬時に悟ったのだろう。
ああ、これは復讐なのだと。
前々回(←その時間軸は何だ?)明らかになった過去の過ち。
笛をペロペロした件、その他もろもろの件。
つまり、有夏は怒っていたのだ。
「ああ……俺の考えが甘かったんだ。有夏は頭カラッポだと思ってたから。何かあっても、すぐに忘れちゃうと思ってたから」
「なに?」
「い、いえ。何でも……」
幾ヶ瀬の目尻からこぼれる涙を見やり、有夏はニヤリと口の端を歪めた。
「ヘンタイにはアルミホイルが似合うかと思って」
「な、何の関連が?」
グッと喉を詰まらせる幾ヶ瀬。
瞬間的に脳裏に何パターンかの対応が浮かんだようで。
ごめんなさい、お許しくださいと土下座するパターン。
俺だって有夏に悪戯しちゃうぞ☆と押し倒すパターン。
いくら何でも悪戯が過ぎると説教に持ち込むパターン。
抱きしめて髪を撫で、愛していると何度も囁いてやろうかなんてことも。
「いくせ?」
「………………」
結局、幾ヶ瀬がとった行動は、有夏に背を向けて布団を頭から被ることだった。
「もうちょっと寝かせてください……」
背後で有夏がプウッと頬を膨らませる気配。
「つまんねぇやつだな、幾ヶ瀬」
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