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【第25話】正月気分(4)
「……お餅なんてもうないよ?」
「えーっ、正月ったら餅じゃねぇの。ないならつけ。餅をつけ」
ようやく顔をあげた有夏、そのまま表情を凍り付かせる。
「な、何怒ってんだよ。正月そうそ……」
──そういうとこだよっ!!
幾ヶ瀬、突然叫び出す。
有夏はヒッと悲鳴をあげた。
「いつまでもいつまでも正月気分で! 今日は何日だと思ってるの!」
「えっと……」
「今日はもう12日でしょ! いつまで寝正月してるの! いいかげん正月気分はお終いにして!!」
「えぇ……だってぇ」
有夏は身をすくませる。
幾ヶ瀬の額に浮いた青筋の数に、引いているのは明らかだ。
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