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【第26話】冬のあさ(3)
土日や祝日、それからクリスマスなどの記念日に、まず間違いなくシフトが組まれている代わりに、何でもない平日に休みが入る。
幾ヶ瀬はこんな朝が好きだった。
ゆっくりと流れる時間と、少しの高揚感。
それから優越感も。
今日はずっとパジャマのままで過ごそうと決めると、ヨレヨレのトレーナーの肌触りまでもが愛おしく覚える。
「ありかー、起きなよー。もったいないよー?」
耳元に口を近づけて囁くも、規則正しい寝息が乱れることはない。
昼になれば雪は溶けてしまい、この白い世界はもう見られないだろうに。
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