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【第30話】独りのときのテンションたるや(7)

 とっさに扉を閉め、幾ヶ瀬は気配を誤魔化すようにキーを2度回した。  一瞬の間に閉めて、それからもう一度開けたのだ。  わざと派手にキーの音をたてながら、扉を大胆に開け放つ。  中で有夏がコタツに滑り込む残像。 「ただいまぁー。遅くなっちゃったね。あはっ。すぐご飯にするねぇ。あははっ」  コタツから顔だけ出して、有夏がチラリとこちらを見やる。  大丈夫だ。  幾ヶ瀬のこめかみがヒクヒク痙攣していることに気付いている様子はない。  ──こいつ何やって……?  ──え? てか、いつも1人の時ってこんな遊びしてるの?  ──遊び……だよな?

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