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【第30話】独りのときのテンションたるや(8)
「おかあ……」
「えっ、おか? お母さんってこと? えっ、俺……?」
「は?」
「い、いや……」
おかえりと言ってくれたのだと幾ヶ瀬は解釈した。
すぐにキッチンに立って、チラチラと部屋に視線を送る。
別に変った様子はないし、有夏の態度もいつものようにそっけないものだ。
こたつに潜りこんだまま、こちらを見ようともしない。
「きょ……今日はどうだったの?」
「どうって? 何が?」
「何がって……1日、何やってたのかなって思って……」
「別に。普通」
「……普通ってことないでしょ」
「うっせ」
「う、うん……」
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