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第二章 (4/5)
「言え。誰の差し金だ」
繰り返される詰問と、絶望のどん底に突き落とす快楽の苦痛。
「……うっ、あ、あぁ!」
付け根まで差し入れられた指をおもむろに曲げられ、そこにあるしこりを引っ掻けられる。その刺激で赤く腫れた中心は先走りを溢し、戒めに悲鳴を上げる。
「お前の飼い主は誰だ」
胸に当たる熱い吐息に肌が粟立ち、焦って構えようとしたが、構えたところで何もできない。濡れた柔らかな舌で硬く立ち上がった突起を転がされる。
「はっ、あ……ッ!」
神経を直接舐められたような衝撃が脳天まで突き抜ける。何度口で触れられてもこの感覚には毎回打ちのめされる。体温が一気に上がり、血が沸騰したように熱く滾る。
後孔の感じるところを責められ、唾液で濡れた胸を弄ばれると拘束された脚が勝手に宙を蹴り、意志に反して腰がくねる。
もっと、欲しい。
喘ぎ声の裏に潜むその懇願を朦朧とする意識で掻き消そうとした。
「なぜ他のアルファには反応しない?」
鎖骨、首筋、耳朶を順に舐められ、耳の中に問いが落とされる。
「なぜ、私を殺そうとした?」
まるで愛でるように囁く声に混乱がますます激しくなる。卑猥な音をわざと立てながら中を掻き混ぜているのが、ルカの首筋に鼻を寄せて恍惚な表情で匂いを嗅いでいる同じ男なのか。
身体と心、理性と欲望がバラバラに切り離されていく。
「楽にさせてやる」
あまりにも優しい声に涙が滲んで何も見えなくなった。
「何も悩まなくていい」
どこにも掴まるところがなくて、上へ上へと追いやられる。
「そうだ、全て委ねろ。そしたら――」
「っ……ぁあっ!」
中心が柔らかく包み込まれ、身体が反り返る弾みで涙がこめかみを伝い落ちた。
激しく指を抜き挿しされ、前を扱かれ、ただ嬌声を上げるしかなかった。
もっと。もっと。奥を突かれない。めちゃくちゃにされたい。
イキたい。解放されたい!
「どうしたら楽になれるか、分かるだろう?」
頭の中で声がさざ波のように響く。
言えば楽になれる。言えば……。言ってしまえば……。
想像しただけで視界が真っ白に弾けた。
「……ぁっ、あっ……ぅああッ――!」
感じたことのない大きなうねりに全身が痙攣する。強すぎる快感に呼吸が止まり、あとを絶たない絶頂の波が次々と襲いかかる。達しているのか、いないのかさえ分からない。
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