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エピローグ (5/6)

 エルベルトの理性が飛んだのはその時だった。  濡れそぼった入口に熱い猛りが触れたと思った次の瞬間、溢れる愛液に助けられて一気に中ほどまで埋められた。 「ぁっ! ……っ……ん……っ」  襞を押し開き、狭い体内を圧迫する怒張に息が詰まる。だがすぐに前後に揺さぶられ、ちょうど腹の裏を擦られて生まれる快感に新たな火が灯されていく。 「は……ぁ……あっん」 「ルカ……ルカっ……」  何度も名前を呼ばれ、その度に身体が溶けそうな愉悦を味わった。一度は治まった下腹部も硬さを取り戻し、徐々に激しさを増すエルベルトの動きに互いの腹を濡らした。  一突きごとに送り込まれる快感に喉を返らし喘ぎつつも、どこか物足りなさを感じてエルベルトの背中を掻きむしった。  ――もっと……もっと!  艶めかしくよがるルカの脚を掬い、エルベルトは膝が肩に付くほど身体を深く折り曲げた。 「あっ! ――あぁ!」  急に角度が変わり、奥の隘路を埋め尽くされる。全身を貫く衝撃に目の前が白く弾けた。  エルベルトは動きを止めることなく、入口から最奥まで激しく責め立て、感じ過ぎて熱く爛れる内壁を絶えず擦り上げた。 「あぁ、あっ……はぁ、ん……ぁあ!」  勝手に迸る嬌声は止められなかった。奥を突かれる度に広がる熱い痺れに内腿が震え、頭上で頼りなく跳ねる足の爪先まで届く。  閉じることのできない口の中に舌が滑り込み、身体が燃え上がりそうになる。  それでも足りなかった。繋がりが欲しかった。もっと、もっと深い、肉体を超えた――。 「エル、んっ……っ……エル、ベルトっ」  首を振ってキスから逃れ、ルカは汗で濡れるうなじをエルベルトに晒した。  欲しい。  疼いて仕方がないそこを貫いて欲しくて、絶え絶えの息で懇願した。 「噛、んでっ、エ、ル……ベルト……! 噛んで! 俺を、あんたの、ものに――」  こぼれる涙で何も見えなかったが、獣のような唸りが耳に届く。  楔を抜かずに身体を反され、中が感じ過ぎて悲鳴にも似た声を上げてしまう。だが熱く湿った息がうなじにかかり、期待と興奮に震えが止まらなかった。  無防備な皮膚に犬歯が触れたと思った次の瞬間、それは深く肉に沈み、容赦ない力を籠められる。 「ん、あっ、あッ……! や、ああぁっ!」  噛みつかれて下からも突き上げられ、襲い掛かる快感に意識が飛びそうになる。  背中が仰け反り、四肢が痙攣する。身体の奥底から沸き起こる激しい波が次から次へと押し寄せて、終わらない絶頂に乱れ狂った。 「くッ……」  中でエルベルトをきつく締め付けていることにも気付かず、切羽詰まったように腰を打ち付けてくる刺激に更に追い上げられる。  暴れる身体を後ろから抱き締められ動きを封じられると、深い場所で律動を止めた雄の形と硬さをより一層鮮明に感じられた。それが強く脈打ち、奥の壁に種を打ち付ける感触に背筋が震え、同時にアルファ特有のノットが膨らんだことで入口を圧迫される。 「んぁ! あっ――」  それにすら感じて、身体中の感覚が消えたかのような浮遊感に囚われた。恍惚とした意識の中で精を吐き出していることに気付く。  ない交ぜになった快感が全て溶け合う。砂浜に乗り上げる波と同じように、激しく全てを掻き立て、そして緩やかに崩れて引いていく。

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