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嫌いなタイプ6

帰りのホームルームが終わり、俺はすぐに荷物をまとめ教室を出た。 と言っても、家に帰るつもりもないから取り敢えず図書館で時間を潰すことにする。 今日は金曜日で、【BLUE MOON】の定休日だ。 なので最終下校時刻になればそのまま家に帰るしかない。 毎週金曜日になると、溜息をつく回数が増える。 「おい成瀬ー!」 「…っ」 その時、後ろから大声で名を呼ばれた。 廊下を歩いていた生徒たちの視線が此方に向けられる。 驚いて振り返り、奏一はゲッと盛大に顔を歪めた。 「よかったぁ。教室行ったらもう出てったって言われるからさ」 「……何か用か」 「ん?あの後先生来たから話せなかっただろ?だから会いに来た!」 「……なんで」 「話したかったから!」 「だからなんでって聞いてるだろ!」 なんだこいつ、言葉が通じねぇのかよッ。 駆け寄って来た御厨真琴は、相変わらずヘラヘラと笑みを浮かべているが、その左頬には湿布が貼られていた。 奏一は眉を寄せ、真琴の顔から目を逸らす。 「いやー、お前って意外と正義感とかあんだなっ」 「は?」 「なんかカッコよかったぞ!バッて立ち上がってさ!」 「っ、お前…、いつから見てたんだ」 「ん?俺流しで手洗ってから、声聞こえてたんだよ」 「な…」 こいつ、悪口言われてたのもろ聞いてたのか…? なのにこんなヘラヘラしてんのかよ。

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