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見えないもの2

繁華街に溶け込むボロついたスナックバーの二階に通される。 こんな親しくもない相手の家に、俺は何しに来ているのだろう…。 そう今更になって思い始めた時、奥の部屋のドアが開き女性が姿を見せた。 御厨の姉だろうか、セミロング程の御厨と同じ色素の薄い髪にアーモンド型の瞳。 肌は透き通るように白く、しっかりと化粧はしているが不快に感じるようなものではなかった。 すらっとした体のラインが分かるようなタイトドレスもよく似合っている。 つい見入ってしまうような、綺麗な女性だ。 「あら真琴、お帰りなさい」 「ただいま。成瀬、俺の母さん」 「……は?母さん?」 姉だと思い込んでいた俺は面食らう。 立ち尽くす俺に「成瀬くんっていうのね。初めまして、真琴と仲良くしてあげてね」と御厨の母さんは笑った。 「友里ー!仕事だよー!」 「はーい!」 下の階からガラついた婆さんの大声が聞こえてくる。 それに返事をした御厨の母さんは、困ったような笑み浮かべた。 「ごめん、私もう行かなきゃ。遠慮しないでゆっくりしていって」 「あ、どうも…」 「いってらっしゃい」 もう日が暮れるのに、今から働くのか。 水商売なのだから、当たり前なのかもしれないが。 「よし。成瀬こっち」 「っ、おう…」 御厨の後ろに付いて歩く。 案内されたのは、こいつの部屋のようだった。

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