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変化5
「同類のやつってさ、なんか分かるんだよね」
「っ、同類…?」
「奏一も同じなんだろ?俺と」
「…!」
言葉に詰まった。
胸の奥が酷く騒つく。
「ぼやぼやしてっと、俺がもらっちゃうよ」
「…っ!」
その言葉に、ブワァッと込み上げてくるものがあった。
そして気付く。
あぁ、俺はやっぱり、真琴のこと……
「……失礼します」
一言そう告げて、奏一は駆け出していた。
小さくなっていく背中を見つめ、遥は笑みを溢す。
「まぁ俺は、そんな気ないんだけど」
自分の想いを伝えようとは思わない。
俺は真琴が幸せならそれでいい。
さて、どうなることやら。
慣れないことをしたせいで疲れてしまった。
「さっさと帰って寝よ」
あとはあの2人次第ってやつだから。
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