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答え4
「ど、どうぞ…」
「ん、お邪魔します」
あれから奏一が俺の家に来たいと言い出して、連れてくることになった。
なんか、すっかり主導権を握られた気分だ。
俺ばっかりオロオロしてる気がする…。
「あれ、真琴の母さんは?」
「今日は家出てて、遅くなるみたい」
「…ふーん」
あれ。今のって教えない方がよかったかな…?
なんて思ってる間に背後から腕が回される。
ビクつく俺を抱きしめた奏一は、首元に顔を埋めてきた。
な、なんかヤバい…!
ヤバい雰囲気だよこれ…!
「…なぁ真琴」
「っ、は、はい」
「もう一回、キスしたい」
奏一の声が、やけに甘い。
なんか別人というか、ツンツンしてたのにいきなりデレが多くなったというか…。
そんなことを考えている間に、唇が塞がれた。
尋ねといて俺の答えを聞く気はないのかよ…!
どうすればいいのか分からず立ち尽くしていると、唇を離した奏一が至近距離で見つめてくる。
こっちは汗がダラダラ流れまくりだ。
「なんか、すげぇムラムラする…」
「はぁ!?」
いきなりの衝撃発言に耳を疑う。
こいつこんなキャラだったか!?
というか何ムラムラって!?
「いや、あのさ、奏一…」
「なんだよ」
「いや、その…。俺なんかとヤっても、萎えるだけだろ…?」
「は?ンなわけねぇだろ」
何言ってんだコイツみたいな顔でこっちを見るな!
俺がおかしいみたいじゃん!
「ちょっと待て、今調べっから」
「えぇぇ…っ ちょ、やだってぇ…!」
携帯を取り出す奏一を止めようとすると、また顔を近づけられる。
なんか、怖い。
奏一の圧が怖い…。
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