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答え8
その肌に、ゆっくりと指を這わせる。
ぴくぴくと震える真琴が唇を噛んでいたので、俺は眉を寄せた。
「あんまり噛むと傷付くぞ」
「ぇ、……あぁ。別に平気だ」
「平気とかじゃなくて、俺が嫌なんだよ」
「なんで?」
不思議そうな顔をして尋ねてくる真琴にため息を漏らす。
なんだか小っ恥ずかしくて、熱くなった顔を逸らした。
「お前の声、聞きたい」
「…っ」
チラリと見れば、真琴は熟したトマトみたいに真っ赤にさせている。
その反応につい吹き出すと、真琴がムッとしたように頬を膨らませた。
しかしなおも顔は赤いままで、余計面白い。
「ちょっと奏一!」
「ははっ、悪い悪い」
そうして謝りながらも、真琴を布団に押し倒す。
変な声を上げる真琴を見下ろせば、すっかり目が覚めた様子の目と視線が交わった。
その首筋に、鎖骨に、口付けを落とす。
胸に手を這わせると、真琴が体を震わせた。
吐き出される熱い吐息に、笑みを浮かべる。
「真琴、案外敏感だな」
「っ、う、うるさい…っ」
顔を隠そうとする手を掴んで指を絡める。
そのまま布団に縫い付け、今度は唇で胸に触れた。
「ぁ、っ…、ん…っ」
「胸で感じんの?」
「も…、そういうこと、聞くな…っ」
少し暴れられて、その体を押さえつけながらクスクス笑った。
なんだかやたらと楽しい。
しかしこれ以上意地悪すると、止めるなどと言い出しそうだ。
大人しくして、胸の愛撫に徹する。
「ちょ…っ。胸ばっか、やだって…っ」
「ん…、でも、気持ちいいんだろ?」
「っ、嫌なものは、嫌なの…!あんまダラダラしてっと母さん帰ってくるぞ…!」
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