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答え9

潤んだ瞳で睨まれても少しも怖くないが、確かに俺自身もそんなに我慢できそうにない。 体を起こし、下を脱がせようとしたら手を叩かれた。 不服そうな顔を向けると、グイッとシャツを引っ張られる。 「奏一も脱げよ…っ」 「ん?…あぁ、うん」 まるで小さい子供のように素直な返事をしてしまう。 俺自身、それなりに緊張しているのかもしれない。 それがなんだか恥ずかしく感じて、誤魔化すようにボタンに手をやれば、真琴もズボンを脱ぎ始めた。 今まで男の体を意識したことなんてない。 なのに真琴のその白い脚に、つい視線が釘付けになってしまう。 「っ、そんなに見んな…!」 「……別に見てねぇ」 「なんだ今の間は!ってか見てるし!めっちゃ見てるし!」 赤い顔した真琴に枕を投げつけられる。 こんなにテンパる姿は面白くて、つい緩んでしまった口元を枕で隠した。 あんまり気分を損ねると、それこそ猫みたいにふいっといなくなってしまいかねない。 慰めるようなキスをしながら布団にゆっくりと押し倒した。 お互い口から熱い吐息が漏れる。 腹に触れた手を腰まで移動させ、そっと中心に指を添える。 なおも口付けは続けながら、そのまま上下に擦り始めた。 「ちょっ、待てって…!」 「なんで?」 「俺だけ、恥ずかしい…っ」 「……じゃあ、俺のも触って」 その手を自分のものに触れさせる。 真琴は驚いたように一度手を引っ込めたが、躊躇しながらもやがて手を伸ばしてきた。 真琴の手が、俺のものを包み込む。 息が詰まった。 正直触れただけでも結構やばい。 真琴の手が、あのメロディを奏でる指が触れている。 そう思うだけで、一気に体温が上がった気がした。

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