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ゆるふわ夏祭り!(5)
うー……ん……。
ふわぁ。よく寝た。
ぐっすり寝て僕すっきりだよ。
「ふふ。おはよ」
んん?!
あれ、ゆーた、いつの間に来たの?
「ついさっきだよ。あんまり気持ちよさそうに寝てるから、静かにとまりの寝顔見てた」
「もー!起こしてよ!恥ずかしいじゃん!」
「だってとまりが可愛くてさ」
むぅ。それならば仕方なかろう。
えっとね、ゆーたは僕のお隣さんで、幼馴染で、恋人なのです。
ついこないだ初えっちして、仲良しカップルだよ。
僕二十七歳で、ゆーたは二十一歳だけど、ゆーたの方が断然お兄さん。
「ん」
僕がベッドの上に起き上がって、目を閉じて唇差し出したら、ゆーたはちょっと笑いながら、
「おはよ、とまり」
っておはようのちゅーしてくれたよ。
「あんまり可愛いことするなよ」
「だってゆーたにちゅーして欲しかったんだもん。えへへ」
僕が照れて笑ったら、可愛いって言ってもう一回ちゅーしてくれた。やったね。
「とまり、今日夏祭りなの、知ってる?」
「うん、駅でポスター見たよ。ねえゆーた、一緒に行こ?」
「もちろん」
どうやらゆーたは僕をお祭りに誘いに来てくれたみたい。
「もう昼過ぎから屋台出てて、花火は八時からだって」
「屋台行きたい!屋台!林檎飴とわたあめ食べる!」
あとたこ焼きとチョコバナナ!
「はは。言うと思った。じゃあもう行っちゃおうか。花火見るのに穴場教えてもらったから、先に屋台満喫してから移動しよ」
「はーい!あ、じゃあ僕着替えるね。ゆーたも浴衣で行くでしょ」
「どうしようかなー」
「え!やだ!絶対浴衣着て!僕ゆーたの浴衣姿見たい!」
ゆ・か・た!ゆ・か・た!って浴衣コールしたら、ゆーたは笑って分かったよって言ってくれた。
「じゃ、準備できたら家の前集合な」
「イエッサー!」
びしっ!敬礼!
ゆーたはなんだそれって笑いながら窓から帰ってった。
ゆーたの部屋と僕の部屋はちょうど隣にあって、うまい具合に屋根があるから、屋根の上伝って直接窓から出入りできるのです。
いいでしょー。イケメン王子様のゆーたは僕のだから、誰にも渡さないよ!
よし!じゃあ念願の浴衣に着替えよー!
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