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フリフリエプロン★

「おいこら、ヒロっ!!」  後ろから大声で叫ばれる。振り向くと、有が鬼の形相で仁王立ちしていた。その姿を見て、大貴は思い切り口角を上げて笑った。 「ええやん」 「どこがええんじゃ、ボケぇ。今日のはなんやねん!!」 「え? 定番中の定番やん。裸にエプロン」  そう。今夜の有は裸に可愛らしい白いフリフリエプロンをつけていた。 「可愛いいわぁ、有ちゃん」  そう言って近付こうとすると、有が後ずさりする。 「俺、嫌な予感しかせえへん……」 「予感ちゃうやん。そうなるんやで。有、俺の考え読めるんやろ?」 「そうやけど……」 「ほら、逃げんと。こっちきて」  大貴がはっきりと命令するように言うと、有は口を一文字にしながら大貴へ近寄ってきた。結局のところ、どんなに嫌がろうと、大貴の命令には坑がえないのだ。抗おうとしても、意思とは関係なく体が動き言葉が出るらしい。ここ3ヶ月ほどこの有と付き合ってきて知ったことだった。  ふっ、と暗闇の空間に、アパートの一室が現れた。それは、現実の世界にある大貴のアパートと全く同じ間取りだった。そこのキッチンへと有の手を引いて連れていく。 「はい、ここで皿洗って」 「……皿?」 「おん。俺、後ろから見てるから」 「…………」  もう有は何も答えなかった。無言で用意されていたスポンジを手に取ると、きちんと汚れた状態で現れた皿たちを黙々と洗っていった。  大貴は少し離れてダイニングテーブルの椅子に座って、後ろから有の体を眺めた。エプロンの後ろはほぼ丸見えで、有の綺麗な曲線美を思う存分観賞できた。  不思議だった。有の体はちゃんと『男』の体つきなのに。女の体のような柔らかさは全く感じさせないのに。ほどよく引き締まった筋肉や、小さく綺麗に盛り上がった尻や、すらりと長い手足が、堪らなくエロくて大貴を興奮させる。  めっちゃ、ええわぁ。  大貴はしばらく有の後ろ姿を堪能していたが、我慢できなくなり立ち上がった。その気配に、有がはっとして振り返る。 「なになに? なんやねん」 「え? だって、もう我慢できひんもん」  そう言って、有に近付くと後ろからぐっと抱き締めた。そのまま有の首筋に舌を這わす。 「ん……」  有が微かに声を上げた。大貴はエプロンの脇から両手を差し込んで、有の左右の胸の突起を指先で摘まんだ。クリクリと弄ると、すぐに固く尖った。 「んんっ……」  有が体をくねらせた。現実の有はどうなのかは知らないが、大貴の創った有は乳首が敏感な設定となっている。そこでしばらくの間、そこだけを攻撃しつつ、有の喘ぐ声を楽しんでいたのだが。  なんか物足りへんな。  そう思い、ふとアイディアを思い付いた途端、キッチンシンクの上に大貴の想像した物が現れた。

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