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コーヒーゼリーにまみれて★

 荒い息遣いが闇の中を漂う。大貴が動く度に、後ろ手に縄で手首を縛られた有の体が波打った。今夜は有の体全体から甘い匂いがした。その匂いを吸い込みながら、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる有の後孔へと腰を突き立てる。 「あっ、あっ、ヒロっ、もうあかんっ、俺がイきそうやっ」 「ええよ、イっても。またすぐ、イけるやん、有」 「いや、だって、もう、何回イってんねん、俺っ」 「んーっと、3回?」 「もう無理っ。次で終わりっ」 「えー、俺、まだヤりたい」 「あかんっ。お前は盛りの付いた高校生かっ!! とにかく、ちょお休憩させろやっ!! もうちょっと俺を労れやっ!!」 「なんか……どっかで聞いたセリフやわ」  しゃーないなぁ、もう。そう言って、大貴は抽送を早める。そのまま高まる快感に身を任せて絶頂に達した。同時に有も絶頂に達したらしく、ピクピクと体が震え、有の欲も3度目なので少ないが流れていた。  ふうっ、と有が大きな息を吐いて、ベッドに倒れこんだ。その途端、不快そうな顔をして、顔を上げる。 「ちょお、シャワーしてきてええ? 体、ぐしょぐしょできしょいわ~」 「ほな、一緒に入ろうや。ベッドの上、綺麗にするし」  そう言って、大貴は有の縄を外し、ベッドに敷いたビニール製のシートを上に広がるコーヒーゼリーが零れないように慎重に片付けた。  そう。今夜は、コーヒーゼリーまみれプレイだったのだ。有の体に塗りたくったコーヒーゼリーを舌で転がしながらゆっくりと味わった。こんなことを5年ほど続けている今、有はもう慣れたのか、諦めたのか、抵抗を見せなくなっていた(最初に一通り文句は言うけど)。  浴室に一緒に入って、シャワーを浴びる。生き返るわ~、と嬉しそうな顔で有が呟いた。大貴がそっと有の尻を撫でると、ぺちっと叩かれた。 「お触りもうなし」 「ええやん、ちょっとぐらい」 「お前の欲ってほんま計り知れへんよな。何年経っても変わらへん」 「そう?」 「おん。ほんま、今やったら分かるわ。あの時の向こうの俺にめっちゃ、同情するわ。これが毎日やったんやろ?」 「まだ覚えてたんや」 「当たり前やん。忘れるわけあらへん。あんな非現実的なん経験したん、他にないからな」 「そうやな……」  

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