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第40話
深い眠りの中、あの夢の続きがまた蘇る。
もう見たくもないのに、無常にも鮮明に覚えていて、いつも自分を苦しめては泡のように忘れる。
とにかく見てる方は最悪だった。
「…んっ…あぁっ…」
お互いの唇を合わせて、シャワーを出しながら抱き合い、蒼は先が尖るように勃った乳首を抓たり、転がしたりして愛撫を繰り返した。
「皐月、可愛い。」
流れるお湯がもくもくと立ち昇り、痺れる快感に躰が跳ね、次の愛撫を待ち望んでいる。
「……んっ…蒼も、躰洗わないと…。」
涙目になりながら訴え、蒼は口元に笑みを浮かべると膝の上に自分を乗せた。
「…そうだね。僕が洗ってあげる。」
大きな掌にボディソープを泡立てると、首筋から背中を優しく撫でるように洗い、胸から腹へと指を這わせた。泡だらけの指先が触れた部分が甘い悦楽に変化し、自然と卑猥な声が漏れ出た。
「……ッ…だめ、俺も洗う…んっ…。」
振り返って、自分についている泡を蒼に塗りながら鍛えられた筋肉に触れた。蒼の雄々しい躰は艶かしく、筋肉が隆起しており塗った泡が滑り落ちる。
「…んっ…皐月、擽ったいよ。」
「…やっ…あぁっ…。」
ぎゅっと自分の小さく張り詰めた雄を握り締めた手が強くなり、不覚にも果ててしまいそうになった。全身の張り詰めた緊張が泡で溶け、唇を重ねながら蒼の掌は強くそのまま上下しビクビクと呆気なく果ててしまった。
ぐったりとしてると上から熱いシャワーを浴びせられ、その落ちながら肌に当たる水滴でさえ感じそうだった。
「……ァッ……。」
「ゆっくり湯船に入って、身体を温めて。」
蒼はぐったりする自分を横抱きにすると、ゆっくり抱き上げられ湯船に入れられた。成人男性を軽々と持ち上げる蒼の腕力に驚きながらも、気持ち良い湯船に身を委ねるとどうでもよくなった。
足を伸ばして、湯船に深々と浸かっていると身体を洗い終わった蒼が顔を覗かせた。
「皐月、髪を洗ってあげる。」
そう言って、頭を傾けられ、大きな掌に包まれながらマッサージをするように洗髪された。優しい指先に髪の毛が絡まり、滑るように洗っていった。いつの間にかうたた寝をして瞼を閉じていたら、唇を重ねられた。
「……終わったよ。皐月、ご褒美が欲しいかな。」
顔だけ仰向けにながら、深いキスをされて優しく胸の突起を撫でられた。甘くて蕩けそうな蒼の顔にどうしても抗えない。
多分、この時はもう完全に溺れてた。
完璧で可愛い、この男に逆らう事などできない。
「…ん、蒼の好きにしていいよ。」
蒼の頬をそっと触れるように撫でると、さらにキスは深くなった。
互いの舌先を絡めて、唾液を交換しては糸のように伝い、跳ねるような水音が厭らしく聞こえた。
「…………皐月、ちょっと待ってて」
ちょっと恥ずかしそうに浴室のドアを開けると、隙間からコンドームとローションを取り出した。蒼は困ったような顔をしながら、コンドームを袋から取り出した。
「……あおい?」
「ごめん、我慢出来なくて…」
顔を真っ赤にする蒼を見て、今までの甘い雰囲気を壊すように笑った。
「…………はは、蒼、いつの間に、なんてもの買ってるんだよ…」
そういうとちょっとムッと怒り、蒼は耳朶を噛んで、浴槽に入ると膝に自分を乗せて後ろから抱き締めた。
「………早く抱きたかった。」
乳首を片手で捏ねるように愛撫され、もう片方の指先はほんのり柔らかくなっていた窄まりの膨らみをなぞりながら侵入してきた。
「……ァッ……。」
「皐月、ここ、柔らかいけどどうして?」
「……んっ…」
ずぶずぶと二本の指が入り、肉壁を押し拡げられ、蠢いては弱いところを探す。
「ねえ、教えて…。誰としたの?」
背中に分厚い胸板が心地良く当たり、そのまま眠そうになるが溢れてくる快感が許さず、ヒクヒクと指を締め付ける。
「……一人でしてたんだよ…んぁ…」
小さな声で呟くとその声は水音が跳ねて掻き消され、またもう一本の指が増やされ拡げられると熱い湯までもが侵食してきそうだった。
「……良かった。今度する時は教えて。」
蒼は耳元で優しく囁くと、腕を躰に回し、硬い亀頭を窄まりに押し当て、ゆっくりと自分の雄を侵入させた。久しぶりの雄茎は太くて孔を拡げながら凶器のように存在を増していく。熱い湯とともにミシミシと下へ押さえ込まれ、美味しそうに蒼の雄を飲み込んでいく。
ピチャピチャと風呂が揺れ、寒くならないようにシャワーは流したままで湯気が浴室に立ち込めていた。もくもくとした湯気の中、白い肌と浅黒い肌が擦り合うように揺れていった。
乳首も突起が膨らみ、蒼に愛撫されるのを待っているようにピクピクと震える。
「………ッ…蒼…向かい合ってしたい…ァッ…。」
唇を求めると、蒼は躰を回転させ、向かい合って互いの舌を絡ませた。
蒼の頬を優しく撫でると愛しさが沸いた。
「皐月、ゆっくりでもいいから好きになって…。」
「………ンッ…あ…おい…。」
奥へ突き上げながらもさらに深く結合されると臍の当たりまで届きそうだ。
「皐月、愛してる。」
また唇を重ねて、互いを貪り合っては何度も残滓が無くなるまで果てた。
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