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おかしな後輩9
その後も主に里中のことを3人(俺以外)が質問責めするのが続いた。
その時ふと気づく。
もしここで里中が俺に絵のモデルを頼んでいることを話せば、周りも一緒になってやるように説得してくるのではないか?
そうなったらかなりマズイことになる。
だって絶対にしつこい。
里中だけでも相手するのは大変なのに、さらに増えるなんてことになったら…。
……考えただけでも恐ろしい。
しかし一向に里中がそのことを話す気配はなかった。
ただ単にそんな考えが思いつかないだけだろうか。
周りの質問に答える里中は、いつもよりどこか大人しめだ。
もしかしたら、こっちの方が通常運転なのかもしれない。
そう思っただけで、なんだか一気に距離が開いた気がする。
「ん。藤井先輩、どうしたんですか?」
「……それ、もう冷めただろ」
「あっ、はい。いただきます!……あちっ」
分からない。
なんだか、モヤモヤする。
こんな感覚は初めてで、それを紛らわすように、里中が熱がっているお好み焼きをパクパクと食べ続けた。
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