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I LOVE 先輩3
「……恋をすると、その人の色ってとっても綺麗になるんだ」
「え?」
やっとこちらを見たヒデちゃんに、ニコッと笑いかける。
ヒデちゃんには、今まで何度も助けられてきた。
だからおれも、彼の役に立ちたい。
辛い時は、支えてあげたい。
ヒデちゃんがいつも、おれにしてくれるみたいに。
「淡い桜色みたいな、こっちまで心臓がドキドキしちゃうような色なんだ。……ヒデちゃんも時々そういう色になる時がある」
「…!」
「それって、付き合ってる彼女さんに対してなのかと思ってたけど。…ヒデちゃんがその色を見せるのは、その片想いした人へだけだったんだね」
そう言うと、何故だかヒデちゃんは顔を真っ赤っかにして俯いてしまった。
あれ。余計なことまで言っちゃったかな?
まぁ、何はともあれだ。
「不毛でもなんでも、その色の綺麗さは変わらない。恋はいつだって平等なんだ」
それにおれだって、十分不毛な恋をしている。
あんなかっこいい人、他の女の子たちが放っておくわけないもん。
きっと付き合ってる人とか、いるんだろうなぁ。
…あ。
それなのに告白しちゃったのは、考えなしだったかな?
まぁ別に、おれは先輩と話せるだけで十分なんだけど。
「……ありがとう」
「ん?あ、ごめんヒデちゃん。なんて言った?」
「…いや、なんでもねぇ」
そう言って笑うヒデちゃん。
はぐらかされて凄く気になるけれど、彼が笑ってくれて良かった。
おれもつられて笑みを浮かべる。
なんだか無性に、藤井先輩に会いたくなった。
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