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I LOVE 先輩5
「むむぅ…っ」
里中は1人唸って俺の周りをグルグル回り続ける。
偶にピタッと立ち止まったと思ったらまた移動して、次には頭を抱えるのだ。
謎すぎる。
「…おい、何してんだ」
「どの位置から描くか決めてるんです…っ。でも何処からでもイケメン過ぎて選べない…!」
「早く決めろよ…」
こうも周りをグルグル回られて唸られては、おかしな儀式でもしている気分になってしまう。
この調子だと、今日は位置を決めるだけで昼休みが終わりそうだな。
モデルが想像以上に疲れるのだと気づき、1人溜め息をついた。
ずっとグルグルされてる状況もアレなので、何でもいいから会話でもしようか。
そこで思いついたのは、先ほどの男子生徒の姿。
「……さっき」
「え?」
「さっき一緒にいた男は、クラスメイトなのか?」
「男…?あ、もしかしてヒデちゃんのことですか?」
…ヒデちゃん?
近しい呼び名に反応する。
里中は相変わらず近づいたり遠ざかったり回ったりしながら話を続けた。
「前話しましたよね?美術部を勧めてくれた幼馴染。秀明って名前で、昔からヒデちゃんって呼んでるんです」
「…もしかして、バレー部か?」
「え?あ、そうです。知ってるんですか?」
「体育館で偶に見る。1年なのに結構目立ってるからな。タッパもあるし」
「そうそうっ。ヒデちゃんはバレーが凄く上手いんです!小さい頃からクラブに入ってて、かっこいいんですよっ」
「……」
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