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新鮮な先輩9
「……なぁ、陽彩」
「? はい」
「お前、…俺が好きなんだよな?」
「…っ」
俺の質問に、途端顔を赤く染める陽彩。
告白してきた時は堂々としていたくせに。
こいつのメンタルはよく分からない。
やがて陽彩は小さな声で「は、ぃ…」と答えこくりと頷いた。
その恥じらう姿が、純粋に可愛らしいと感じてしまう俺は、どうしてしまったのだろう。
あぁ、もう。
こうなったのは、全部陽彩のせいだ。
この後輩が俺に付き纏ってきたから、こんな気持ちを抱いてしまったんだ。
だから…、ちゃんと責任、取りやがれ。
「…じゃ。俺たち、付き合わね?」
「………へ?」
これ以上ないくらい目をまん丸にした陽彩がこちらを見上げてくる。
なんかもう、恥ずかし過ぎてどうにかなりそうだ。
でも、ここまできたら、ちゃんと伝えたい。
「なんか…。……お前の側は、なんとなく、居心地がいいから…」
「!」
「だから、その…。俺も、陽彩に恋してる…。…ってか、お前なら色で分かるんじゃ…」
そこまで言って顔を向けた俺は瞠目した。
陽彩の瞳から、ボロボロと涙が零れ落ちていたのだ。
俺は完全にパニクってその場で固まってしまう。
「お、おい…っ。なんでまた泣いて…っ」
「ぜんばーい…っ!」
「うぉ…っ」
ベッドまで駆け寄った俺に抱きついてきた陽彩は、そのまま子供みたいにわんわん泣いた。
返事もらってないけど、これはオッケーということでいいのだろうか。
何がなんだかサッパリだが、俺の腕の中で泣いている陽彩が愛おしく感じる。
「陽彩…。顔、上げて」
「っ、う、うぅぅ…」
頬を両手で包み込み、上を向かせた。
そして泣きべそをかく陽彩の目元に、また前のようにキスをする。
前はこれでピタリと涙が止まったが、今度は更に泣き出しそうになる陽彩。
しかし俺は、そうなる前に再び顔を寄せ…
今度はその唇に、自分の唇を重ねた。
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