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かわいい後輩2

「刻久先輩!お昼の時間ですよ!」 「あー分かった分かった」 昼休みの時間。 今日は陽彩の描き上げた絵を見るため、いつものように美術室に行く予定だ。 チャイムが鳴って早々に教室へやって来たワンコに、ちゃんと授業を受けていたのかと呆れてしまう。 少し前までは… 変なやつ→関わりたくない という結論に至っていたのだが、今はそんな陽彩が可愛らしいと感じてしまうから困ったものだ。 つい口元が緩み、陽彩の頭を撫でてやると、何故か周りが騒めき出す。 「あのトキ様が笑った…!」 「あのトキ様から甘いオーラが出てる…!」 「あのトキ様が幸せそうだ…!」 何やらよく分からないことを言っているのに辟易していると、ふと視界に入った正樹がニヤリと笑みを浮かべる。 その顔が無性にムカついて今すぐ肘鉄を喰らわせてやりたかったが、グイグイ陽彩が手を引いてくるのでやむ無く立ち上がった。 「あの、すみません。なんか今日、他の美術部の部員もいるみたいなんです…」 「へぇ。何か集まる理由でもあるのか?」 「いや、それが…」 口ごもる陽彩に首を傾げていると、美術室に到着していた。 行きにくそうな陽彩を不思議に思いながらも、そのままドアをガラガラッと開ける。 そうすると椅子に座って談笑していた5人の女子生徒が、一斉にこちらを見た。 その反応にピクッと固まる俺の背を、後からやって来た陽彩が押していく。 「先輩っ、彼女たちは気にしないでいいですから。ただネタを欲しがってるだけなので」 「ネタ?」 ネタってなんの? そう尋ねようとする前に、向こうで何やら早口で話す声が聞こえてきた。 「きたわコレ…!今までのカプでダントツでしょもう…!」 「やっぱ私、平凡キャラよりも受けも攻めも美しくあるべきだと思う…!」 「バッカ!アンタ今全世界の平凡好きに喧嘩売ったわねッ!?」 「なんかさっ、陽彩くんいつもよりキラキラしてない?なんか美少年に磨きがかかってない…!?」 「愛のなせるわざね…。愛のなせるわざね…!」 「何故2回言ったし」

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