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バスケ部の先輩2
「あーあ。終わっちゃったなー」
現地解散となった今、俺は正樹と試合会場に残ったまま人気のない通路でぼんやりとしていた。
スポーツ飲料をプラプラとさせて、正樹が力のない声で呟く。
チラリと横顔を見れば、目元が少し赤い。
こいつ、1人で泣いたのか。
さっきまで元気いっぱいに仲間たちを励ましていたってのに。
ほんと、キャプテンというか先輩の鏡みたいなやつだ。
調子にのるから言わないけど、こういうところは尊敬している。
「全国、あと少しだったな…」
「…悪かった。俺があれを決めてれば、可能性はあったのに」
「はぁ?」
謝ったら何故か頭を叩かれた。
通路にペシンッと乾いた音が響く。
「いてっ」
「柄にもねぇこと言ってんな。誰もエースのことなんて責めちゃいねぇよ」
「…それ言うのにこんな強く叩く必要ある?」
「んー、俺的にはやっぱ決めて欲しかったから気持ち強めに叩いといた」
「…左様ですか」
こいつ、俺に対しては気遣いがないよな。
幼馴染だからって扱いが雑だ。
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